遺言のすすめ・生前の相続対策について
相続の税金対策もありますが、相続税が発生するのは約5%程度です。
多くの場合、相続対策といえば、被相続人死亡後、遺族が遺産をめぐって紛争を繰り広げるといったケースにならないように、残された遺族が円満に暮らしていけるように配慮しておくことが最善の相続対策です。
相続で最も問題になるのが、遺産の分割に関する紛争です。
紛争にならなくても、相続人の間で話し合いがなかなかまとまらず、不動産の名義が被相続人の名義のまま放置されているケースが多くあります。
そのまま放置しておくと、相続人が増え、相続人全員の実印が貰えないなど、名義変更ができないなどの問題がおこる恐れがあります。このようなケースは一例で、様々な問題がおこりえますので、お早目に専門家に相談することをおススメ致します。
相続に関しましては、上記のような問題で親族同士の仲が悪くなったりする問題は発生するため、そのような問題がおこらないため、遺言書の活用をおススメ致します。
遺言書のメリットについて
- 相続人間の争いを防止できる
- 相続手続を簡略化できる
- 遺産・葬儀・供養などを決めておくことで、万が一の場合安心できる
遺言書に関して、ご自身で作成しているため、大丈夫だと思っていませんか?
遺言には、いくつかの種類が存在し、ご自身では大丈夫だと思っていても、その遺言の内容どおり、執行されるとは限りません。
今後の遺族間の紛争を避けるためにも、専門家への確認やご相談をおススメ致します。
特に遺言が必要な場合
- 子供がいない夫婦で、配偶者にすべて財産を残したい場合
- 亡くなった息子の奥さん(子供がいない場合)にすべて財産を残したい場合
- 内縁の配偶者に財産を残したい場合
- 別れた配偶者との間に子供がいる場合、現在の子供だけ、または別れた配偶者との間の子供に財産を残したい場合
- 甥や姪、孫や知人に財産をあげたい
遺言の種類
遺言の種類としていくつかの方式がありますが、自筆証書遺言、公正証書遺言、の2種類が主に使われています。
自筆証書遺言
ご自身で日付や氏名、内容などを記載した、捺印を押した遺言書です。
- メリット
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- 遺言の種類の中で、一番気軽に作成することができます。
- 証人もいりませんし、遺言の内容を秘密にすることもできます。
- デメリット
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- 失くしたり、他人に改ざんなどされる恐れがあります。
- 裁判所で遺言書の検認手続をする必要があり、死亡後すぐに相続手続をすることができない。
公正証書遺言
遺言の内容を遺言者の口述をもとにして、公証人が作成します。証人2人以上の立会いが必要です。
- メリット
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- 文字が書けなかったり、耳や言葉が不自由な方でも遺言を残すことができます。
- 遺言書は公証役場に保管され、失くしたり、変造されるおそれがなく、隠匿・破棄されるなどのおそれもありません。
- 死亡後、遺言内容に従ってスムーズに相続手続を開始することができます。
- デメリット
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- 作成時に証人が2人必要となります。
- 公正証書作成の費用がかかります。
- 遺言の内容を秘密にすることは困難です。
このほかにも、秘密証書遺言、死亡の危急に迫った者の遺言、船舶遭難者の遺言、伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言があります。
また、遺言とは違いますが、自分が死亡したら財産を贈与するという契約(死因贈与)をすることもできます。